<< 難しい言葉・・・。 | main | 医科学部 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

カテゴリ:- | | - | -
小児科ワクチン勉強会にて
日本とオーストラリアではワクチン政策の違いがあることはこれまでも書いてきました。その中でもB型肝炎ウイルスワクチンに関する対応が大きく異なっています。

日本では妊娠したお母さんがB型肝炎ウイルスに感染していると分かった場合:これはちょっと専門的ななので難しいのですが、HBs抗原というものを検査して陽性の場合はお母さんがB型肝炎ウイルスに感染していることを示しています。その場合、以前はさらに検査をしてHBe抗原という検査をしてさらに陽性の場合は赤ちゃんに感染する率が高く(ほぼ100%)、また、その感染によって赤ちゃんがキャリアと呼ばれる持続感染(ずっと感染している)状態になってしまう確率が80〜90%ということで感染予防の手段がとられていました。長くB型肝炎ウイルスのキャリアでいると将来、肝臓癌の危険性が高くなるからですね。ただ、HBe抗原陰性のお母さんから生まれた赤ちゃんでも感染する率が10%程度あり、キャリアにはほとんどならないものの生後2〜3ヶ月で劇症肝炎という超重症になってしまうことがあるために現在はHBs抗原陽性のお母さんから生まれた赤ちゃんにはHBe抗原の有無に関わらず、全員に対して予防手段がとられています。

ちょっと難しい話でしたが、これで今のところは母親から子どもへの感染は防げる!!!ということになっているのです。ただ、残念ながら、100%ではありません。

また、ワクチンの勉強会で指摘されていたのは・・・生まれて2〜3歳まではB型肝炎ウイルスの感染を受けると新生児と同じようにキャリアになる可能性が十分高く残されているというのです。(検査をしても2〜3歳の子どもとそれ以上の年齢の子どもで免疫学的な検査結果の違いはないもののなぜか、2〜3歳以下の子どもはまだまだキャリアになる可能性があるのです・・・)そういう意味で世の中にB型肝炎の成人がいる限り、感染する危険性はまだ、通常の子どもにも残っているのですね。もちろん、感染率は高くないので過剰に心配する必要はありません。そういう意味でも日本でも赤ちゃん全員にB型肝炎ウイルスワクチンをすべきであると指摘されているわけですね。現状ではWHOに加盟している国の85%で赤ちゃん全員にワクチンを接種しています。(やっぱり、遅れてますねぇ・・・ということでうちの子は今、こちらでせっかくなので無料で接種してきました。)

そして、ワクチン勉強会でもう一つ指摘されていたのはパートナーへの配慮です。B型肝炎ウイルスは性交渉で感染する有名な病気です。お母さんがB型肝炎ウイルスのキャリアであれば当然、お父さん(もちろん、もう感染してしまっている可能性もありますが・・・)にも感染の危険性があります。そこまで、医師は対応しているだろうか?相談されない限り、放置していないだろうか?と言うことが指摘されていました。そして、最近は家庭内での父子感染も増えているそうです。

やはり、ワクチンで防げるものは最終的な医療費削減につながるのですから、せめて他の先進国とどうレベルのワクチンは導入して欲しいですね。でも、これは僕たち小児科医が声を上げなくてはいけないのだと思っています。帰国したら、ワクチン充実に向けた活動に加わりたいなぁと思っています。

そうそう、今年から2012年までの時限措置で13歳と18歳の人が麻疹ワクチンを公費で接種できるのは知っていますか?麻疹ワクチンが2回接種になって、対象年齢より大きな子たちが接種する機会を失ってしまったことに対する時限措置です。接種率95%を目指しています。対象者をお子さんにお持ちの方はぜひ、接種に行ってくださいねぇ。
カテゴリ:ちょっと気になるこどものこと | 22:57 | comments(8) | -
スポンサーサイト
カテゴリ:- | 22:57 | - | -
コメント
テル先生おはようございます(^v^)

こちらでは はしかの子が増えているようで学校1クラスがお休みになっているようです(^_^;)

予防接種って保険センターから送られてくる物以外あまり聞かないので、ここで見ると知らないものが沢山あって、びっくりします。

病院にいっても たまに知っていますか?ってチラシ?を何枚か目にはしますがあまり聞かないものは、これは接種した方がいいのかな?とか、考えてしまいますね(^o^;)

うちは今の所 保険センターからもらった予防接種とおたふくとインフルエンザは毎年やってるぐらいです。
| ぺこ | 2008/07/17 8:00 AM |
 日本の小児肝臓病学会では、とりあえずB型肝炎の母子感染予防事業には目鼻が付いたので、次は父子感染予防へと着手し始めています。

 全員に肝炎ワクチンをという話は聞こえてきませんが、一応少しずつ話は進んでおります。
| クーデルムーデル | 2008/07/17 8:26 AM |
ぺこさん:確かに世の中にはいろんな知らないワクチンがありますよね。オーストラリアでは今、任意接種となっているロタウイルスワクチンが公費接種になるだろうと思います。安全性が確かめられ、子どもたちを守れるのであればワクチンをしたいですよね。
クーデルムーデルさん:日本でも始まっているのですね。不勉強ですみませんでした。小児科医、産科医、内科医がしっかりと家族までフォローしてあげられると良いですね。日本で全員肝炎ワクチン接種にならない理由はコスト以外になにかあるんですかね・・・。HibやPneumococcusと違ってにんかはされているのですから、きっと安全性の問題ではないと思うのですが・・・。
| Dr.TERU | 2008/07/17 9:45 AM |
こんにちは。
予防接種について,日本は進んでいるだろうと勝手に思い込んでいました。だから,生後半年でオーストラリアに連れて行くことに決めた時,予防接種が一番心配でした。(よその人にも予防接種を心配されます。)そんなきっかけでもなかったら,日本が遅れてることに気づかなかったと思います。
麻疹のワクチンが公費で接種できることは,何度かテレビで見かけました。こんな時こそ,学校を活用すれば良いのではないかと思うのですが,もうやってるのかな?「心の教育を!」「食の教育を!」「キャリア教育を!」・・・と,学校に無限の時間と人手があると思い込んで,ねじ入れてくる人が多いのは腹立たしいです(そんな私は高校教師)が,予防接種の宣伝くらいならできると思うのですが。「麻疹にかかって,受験や就職試験に失敗したら大変でしょ?」「進学(就職)して,一人暮らしの時に麻疹にかかったら辛いよ!」18歳には,これがかなり効くと思います。これなら,朝のSHRで言うだけで済みます。
| NELL | 2008/07/18 11:40 AM |
B型肝炎の父子感染、すごく気になります。
どういう状況で今は増えているんでしょうかね?
オットはB型肝炎キャリアです、知ったのは最近なので
あわてて息子も調べましたが、大丈夫でした。
父子感染の予防は、ワクチンが最適ですか?
85%が受けてるとなると、なんだか我が子が心配です・・・
| れんクンママ | 2008/07/18 6:14 PM |
NELLさん:そうですね・・・日本人としては何となく、日本は何でも世界のトップを進んでいると思い込んでいる節はありますね。でも、よ〜く考えてみる必要はありますね。その昔、インフルエンザワクチンが学校でされていた頃、確かに接種率は高かったですよね。ただ、学校は文科省、医療は厚労省・・・セクト主義なのでなかなか一緒にやるのは難しそうですね。こういう効率化は求めてもよいようには思いますが。
れんくんママさん:父子感染の感染経路は主に口からではないかと思われています。もちろん、親子で血が出たときの処理などの濃厚接触になる可能性は高いですが、口から感染はありえます。もし、お父さんがキャリアであることが事実であれば、基本的にはワクチンが最適なのでお子さんにB型肝炎のワクチンを受けさせてあげる方がよいと思います。
| Dr.TERU | 2008/07/18 10:17 PM |
こんにちは。

コメントは2回目です。

今回は予防接種のことでお尋ねしたくて
コメントしました。

今、5歳の息子がいます。
息子は、1歳半までの予防接種は受けていますが、
それ以降は、全く受けていません。

なぜ受けていないかというと、
予防接種のワクチンの中に、
水銀が含まれてるという話や
予防接種後は、体調を崩しやすいという話を
聞いてしまってからは、
自然と受けるの控えてました。

でもテル先生のブログを読ませて頂いてるうちに、
もしかして予防接種って、そこまで悪いものではないかも・・という気持ちが芽生え、
もしかしたら受けなければ後で後悔させてしまうことになるかもしれないと考えるようになりました。

やはり接種義務のある予防接種は、受けたほうがよいのでしょうか?



| 蘭蘭 | 2008/08/04 6:05 PM |
蘭蘭さん:たしかにメチル水銀などが安定剤として入っているものがまだ、ありますよね。その気持ちよくわかります。最近のワクチンはそういうものが入っていないものもでてきていますので確認してみたらよいですね。僕もちょっとどのメーカーのものが入っていて、どのメーカーのものが入っていないかをちょっと確認してみますね。でも、基本的にはすべてメリットデメリットの天秤ばかりなので現時点ではメリットの方が上回っているのではないかな・・・と思っています。
| Dr.TERU | 2008/08/04 9:31 PM |
コメントする